私はよく顔が年齢相応かどうかを治療期間の参考にします。顔の老化は20代後半からはじまり特に喫煙の有無でその後の顔の老化度や治療中の骨や周囲組織、粘膜の新陳代謝にも深く影響してると実感しています。詳しい治療の内容などを知りたい方は私のスマイルと顔だちを整える矯正歯科医院のHPも参考にしてみてください。
私のような現役の臨床医や人々が実際に体験した一次情報を確かめることが医学論文や大学の研究者の役割でもあるのですが、今回は顔の見た目の知覚年齢と寿命の関係があるのではないかと仮説を立てたので医学論文で調べてみたいと思います。
顔の知覚年齢が老けているほど先に亡くなる可能性が高い
ここで言う顔の見た目とは顔自体の知覚年齢のことで髪の毛や衣服による知覚年齢とは関係ありません[1]。確かに髪の毛があった方が若く見えますし、衣服によっても左右されますが顔だけが寿命との関連があったと報告しています。
顔の見た目の老化は紫外線や喫煙、大気中に浮遊する排ガス微粒子、皮膚のバリア機能の低下(乾燥肌)、表情筋力の低下、食事や運動、睡眠など生活習慣や私たちを取り囲む環境によって個人差が出てきます。双子の見た目の知覚年齢と寿命との関連をみた研究が有名ですが、見た目の年齢が老けていると感じる顔のほうが先になくなることが示唆されています[2]。下に示す双子の顔は顔の色、しわの深さ、しわの数、たるみ具合などから判断して右の顔の方が老けている印象です。

顔の知覚年齢(老化度)の双子における比較 Christensen K et al. [2]
顔の知覚年齢と循環器疾患とも相関がある
顔の知覚年齢と寿命の相関関係とともに循環器系の疾患にかかりやすいかどうかも研究されております[3]。加齢とともに皮膚表面の抹消血管は少なくなり血液が行き渡りにくくなりますから循環器の健康と顔の赤み具合とも関係があるかと推測します。
まとめると、顔の知覚年齢と寿命には相関があり老けて見える人ほど先になくなる可能性が示唆されている。顔の見た目の老化度と循環器系の疾患のリスクにも相関があるということがわかります。血管が若く保たれていることは治療のスピードにも深くかかわってくるため顔の知覚年齢を見ておくことは臨床にも有効だということがわかります。このような科学的な事実から、全身の寿命の観点からも医療者が治療の中で老化を最小限にして顔に反映されるようにすることは大切だと考えています。
参考文献: