現在寿命を延ばす方法はいくつか分かってきています。私個人としては昔はカロリー制限をしていましたがはっきり言ってつらいです(笑)ので糖質制限に食事スタイルを変えました。糖質制限もミトホルミーシスを促しミトコンドリアの生合成を高めて寿命を延ばしますのでより楽に寿命が延びる食事法を選びたいわけです。
グルコサミンは糖質制限を模倣して長寿になる
さて、この記事ではグルコサミンが糖質制限を模倣して線虫とマウスの寿命を延ばす[1]という科学論文があったので記事にしておきます。グルコサミンは関節軟骨に良いという証拠はまだ不明な点が多いサプリメント成分ですが特に重大な副作用がないのが幸いです。このグルコサミンの摂取で糖質制限によってグルコース代謝に制限を加えることでエネルギーが不足すると活性化する『AMPK』という酵素が増えます。一般にAMPKが活性化するとオートファジーが起こるため長寿になる傾向があります。
さらに低炭水化物食ではミトコンドリア内に活性酸素(ROS)をやや増やすのですがグルコサミンもまた同様にミトコンドリア内のROSを増やします。なに?活性酸素を増やすということは老化するじゃないか!と思いますがミトコンドリア内の”適度な”活性酸素はミトホルミーシスといってミトコンドリア内の劣化タンパク質やミトコンドリア自体の生まれ変わり(ミトファジー)を引き起こすため長寿になります。
ミトコンドリア内と細胞質内にある活性酸素では老化効果が違う
活性酸素と老化あるいは長寿の関係はこのように単に増やす減らすと長寿になるといった単純なものではないことが示唆されています[2]。ミトコンドリアの劣化は加齢とともに実際に増えそれに伴って活性酸素も増えます[2]。しかし先ほども述べたように適度な活性酸素がミトコンドリア内にあることで逆にカタラーゼ(抗酸化物質)を増やし活性酸素抵抗性を得ることができ長寿になります。つまり活性酸素は確かに毒だけど少量の毒で抗酸化物質を増やして耐性を付けた方が長寿になりますよということです。
この活性酸素が発生する場所によって長寿になるか老化が進むかどうか変わってくるという報告もあります[3]。その論文では活性酸素がミトコンドリア内にあるならば長寿をもたらし、細胞質で増えるならば老化が進むとしています。細胞質内に活性酸素があると特にDNAにダメージがあると異常なタンパク質や癌などが増えてくるため一理あるのではないでしょうか。
まとめると、”適度な”ミトコンドリア内の活性酸素は逆に活性酸素耐性を強化して長寿になるが、無秩序に細胞質に発生した活性酸素は相変わらず毒で老化を加速するということです。グルコサミンはこのミトコンドリア内の活性酸素をやや高めて長寿になると推測されています。
参考文献: