【糖質制限】果糖(フルクトース)は長寿になるか?

清涼飲料水炭酸飲料

果物に多く含まれている果糖(フルクトース)はエネルギーの約9割が脂肪になるため果物を食べ過ぎると太りやすい種類の糖質です。さらに果糖はブドウ糖と比べて活性酸素を発生させる能力が強く老化を加速する懸念もあります[2]。

果糖やブドウ糖が大量に含まれている清涼飲料水やエナジードリンクの消費の増加にともなって先進国では肥満、糖尿病との相関が指摘されております。一般に糖質はmTORを活性化してオートファジーを起こしにくくするため寿命にはマイナスと考えられますが髪の毛や皮膚、骨髄などでは糖質のエネルギーが主に使われています。そこでどの糖質をどのくらい摂取すると長寿の観点からもっとも望ましいのか興味がわいたので医学論文で調べてみました。

少量の果糖なら線虫の寿命をのばす

糖質を制限する生活は快適です。しかし現代の食事からすべての糖質を除くことは一般人には不可能です。その理由として調味料が挙げられます。調味料も含め現代社会の食べ物にはほとんど糖が含まれているため完全に糖質を避けることは現実的ではないのです。私は夕食は調味料で調理された糖質制限の食事を受け入れますが、おそらくその味付けや調味料には少量の糖質が含まれているはずです。

少量の果糖の摂取では線虫の寿命がのびたとする実験があります[1]。その研究では低用量の果糖では寿命がのび、多量の果糖やブドウ糖(グルコース)の摂取で寿命が短くなると結論付けています。ですので調味料や味付け、トッピングなどにもし糖質を使用するなら果物由来の果糖が長寿の観点からはいいのではないかと考えられます。

少量の果糖や活性酸素によるホルミーシスで長寿に

このように用量依存的に効果が全く逆になることはよくあることで、活性酸素もミトコンドリアで適度に発生させることで逆に活性酸素耐性を持って長寿になるミトホルミーシスという現象が出ることが知られています。糖質制限ではこのミトホルミーシスが起こっており長寿の一因となっていることが示唆されているのです。グルコサミンの摂取でもミトホルミーシスの発現が示唆されており長寿になる可能性が報告されています。

グルコサミン摂取で長寿になるか?

グルコサミン摂取で長寿になるか?
現在寿命を延ばす方法はいくつか分かってきています。私個人としては昔はカロリー制限をしていましたがはっきり言ってつらいです(笑...

まとめると、糖質の中でも果糖は少量摂取で線虫の寿命をのばすがブドウ糖や大量の果糖摂取では逆に寿命が短くなることが示唆されているということです。調味料やトッピングで添えられている糖質に使用するなら天然の果糖である果物由来のものが長寿になるものと推測されます。ちなみにドライフルーツは特にイチジクなどにカビが多いため新鮮なものを使用した方がいいです。

参考文献:

  1. Lower Doses of Fructose Extend Lifespan in Caenorhabditis elegans. Zheng J et al., J Diet Suppl. 2017 May 4;14(3):264-277. Epub 2016 Sep 28.

  2. Fructose-Induced Carbonyl/Oxidative Stress in S. cerevisiae: Involvement of TOR. Valishkevych BV et al., Biochem Res Int. 2016;2016:8917270. doi: 10.1155/2016/8917270. Epub 2016 Feb 25.

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