亜麻仁油や荏胡麻油はオメガ3という多価不飽和脂肪酸が多く含まれている油です。有名なものに青魚に多く含まれているEPAやDHAもオメガ3の脂肪酸です。オメガ3脂肪酸は抗炎症作用があるので老化を予防するとされていて積極的に使っている人も多いのではないかと思います。
オメガ6の油は本当に体に悪いのか?
一方のオメガ6多価不飽和脂肪酸であるリノール酸はサラダ油や鶏肉、豚肉に多く含まれているため不足がなくむしろオメガ3とのバランスで摂取しすぎが指摘されて久しいです。オメガ6脂肪酸は炎症を惹起するので老化する作用があるとされていますが本当でしょうか?
医学知識は常にアップデートされますし解釈の仕方でも変わってくるのです。このブログは長寿に焦点をあてているためオメガ3とオメガ6脂肪酸が長寿になるかを科学論文で検証してみます。
オメガ3、オメガ6の油はどちらが長生きできるか?
魚油に含まれるオメガ3多価不飽和脂肪酸ではマウスの寿命を延ばす効果が認められなかった[1]とあり、抗炎症作用から推測される長寿効果がうすいことが示唆されています。
一方、オメガ6多価不飽和脂肪酸は線虫の寿命を延ばした[2]とあり、その報告の中でその理由としてオートファジーの誘導を挙げていました。オートファジーはミトコンドリアの活性酸素レベルが上昇すると引き起こされるためオメガ6の炎症作用が長寿にちょうどよいレベルの活性酸素をもたらしたと考えられます。
ミトコンドリアのオートファジーを活性化すると長寿になるのか?
ミトコンドリアのオートファジーによる自食作用の様子。
まとめると、オメガ3多価不飽和脂肪酸は抗炎症作用があるが長寿効果は薄く、オメガ6多価不飽和脂肪酸は炎症作用を持つがオートファジーを起こし長寿効果があるということになります。
参考文献: