現在メトフォルミンの長寿効果を確かめるためアメリカで大規模な疫学調査が進行中です。
今回は糖尿病の薬として使われているメトフォルミンのアンチエイジング効果についてです。
長寿になる仕組み
長寿効果が出る仕組みとして現在有力なルートが2つあります。
一つ目はサーチュイン遺伝子の活性化です。これはNMNやレスベラトロールなどがサーチュイン遺伝子活性作用を持っています。
二つ目はmTOR(エムトール)という酵素を抑制するルートです。
この酵素を抑制すると細胞内を掃除する仕組みであるオートファジーが働き細胞の機能や効率が回復し長寿効果が現れます。
mTORを抑制するには通常絶食状態にしなければならないのです。
糖質はもちろん、タンパク質も制限することでmTORが抑制されオートファジーが起こります。
それでは大変だと他の方法でオートファジーを活性化したいと思うのが人間です。
mTORを抑制する食べ物にはコーヒーに含まれるカフェインがあります。
それ以外に糖尿病薬のメトフォルミンやラパマイシンもmTORを抑制します[1]。
mTORを抑制すると長寿になる
mTORを抑制すると加齢関連疾患が減り、長寿になる傾向があります[2][3]。
メトフォルミンはmTORを抑制することで長寿効果が出るほかにTNFαやIL-6、NF-kBを抑制し抗炎症作用があります[1]。
炎症は必ず活性酸素の発生を伴いますので抗炎症、抗酸化は年齢以上の老化予防の基本です。
また、メトフォルミンは糖化を抑制する作用がある[4]ため老化の原因である糖化(グリケーション)の予防/改善につながりこれまたアンチエイジングに効果があります。
糖化が顔の肌のコラーゲン線維に起こると硬く弾力が失われていき黄ばんできます。
ハリがなくなりたるみが出る原因の一つですので糖化を抑制することも老化対策として重要なのです。
メトフォルミンの長期摂取のリスク
メトフォルミンの長期投与でビタミンB12の欠乏が起こる[5]。
特にアルコールを飲まれる方はビタミンB12の消費が速いのでメトフォルミンを飲む際にはビタミンB群とともに摂取するといいということです。
私は水溶性ビタミンサプリを毎朝飲んでいます。
水溶性のビタミン、例えばビタミンB群、Cは大量に摂取しても下痢を起こすだけですので私は自分で限界を知って摂取しています。
体内で利用されなかった分は尿に排出されます。
まとめ
- mTORを抑制すると長寿になる
- メトフォルミンはmTORを抑制する
- 現在アメリカで長寿効果を確かめる大規模な疫学調査が行われている
- メトフォルミンは抗糖化剤でもある
- メトフォルミンのリスクはビタミンB12欠乏症
参考文献: