ナフタレンやアンタントレンといったベンゼン環を複数持っている物質を多環芳香族炭化水素(PAHs)と呼びますが発がん性が知られているため寿命を短くするのではないかと思い医学論文で調べてみました。

アンタントレン File:Anthanthrene-3D-balls.png Author:Ben Mills and Jynto
多環芳香炭化水素は何に含まれているの?
多環芳香族炭化水素は石油から作られるガソリンや鉱物油などの油に多く含まれています。そのため、自動車の排気ガスにはこの多価芳香炭化水素が含まれており大気汚染物質の一つです。多環芳香族炭化水素は分子量が小さくしかも親油性ですので容易に皮膚から体内に浸透します。日本では多価芳香族炭化水素の規制がないため、またもやカオスな状態ですから自分で知識を付けて自分で対策をしないと寿命も短くなることになります。
ガソリンだけでなく化粧品でも石油から作られているワセリンやリップスティック、日焼けオイル[1][4]などはその多環芳香炭化水素濃度を示しているものがあればそのメーカーは良心的だと思います。私は石油由来が悪いとかオーガニックが良いとかではなくひとつづつ科学的に判断していくべきだと考えています。石油由来の化粧品であれば不飽和の酸化しやすい鉱物油が入っていないかとか今回の多環芳香炭化水素がどの程度含まれているのかなどをきちんと自発的に示した方が結果として良いと考えます。
この多環芳香族炭化水素がどの程度化粧品に含まれているかを調べる検査方法も科学論文で報告されています[2]のでワセリンやリップスティックといった石油系原料を使った化粧品に関してどうなのか知りたいところです。
多環芳香炭化水素は発がん性と内分泌かく乱作用がある
多環芳香族炭化水素は発がん性だけでなくパラベンなどの合成防腐剤と同じ内分泌かく乱作用があります[3]。パラベンはハエの実験で寿命が短くなるという報告があります。この多環芳香族炭化水素は直接的に寿命との関連を研究したものは現在見つかりませんでしたが、発がん性があるだけでも毎日排気ガスを吸ったりそのような化粧品使っていれば寿命が短くなるのではないかと推測されます。
まとめると、石油系の材料、ガソリンや化粧品などの鉱物油には多環芳香族炭化水素が含まれている可能性があるため内分泌かく乱作用と発がん性により寿命への悪影響が推測されるということです。
参考文献: