ラパマイシンは腎臓移植後などの免疫抑制剤として使用されてきた薬剤でmTOR(エムトール)というタンパク複合体を抑制する働きがあります。アメリカの公衆衛生局FDAにも認められたmTOR抑制剤です。ラパマイシンをはじめ様々な薬や食べ物がmTORを抑制する作用があり、mTORを抑制するとオートファジーが働き長寿になることが多くの科学論文で示されています[1][2]。mTORはC1とC2の2種類がありラパマイシンはC1を抑制し継続的にラパマイシンを使用するとC2も抑制する作用があります。
ラパマイシンの副作用
ただラパマイシンは医薬品だけあって副作用もあります。先ほども述べましたように移植の際の免疫抑制剤として使われているためウイルスなどの感染症のリスクが高まります[2]。長寿の実験では病原体のない無菌室でのマウスを飼育しているため感染がないので実際の環境とは異なるのです。
またラパマイシンは長期間の使用で浮腫やアフタ性潰瘍、ニキビ様の吹き出物などの皮膚症状が頻繁にみられます[3]。
さらにラパマイシンを使用していると高脂血症、インスリン感受性の低下、耐糖能異常、糖尿病の発症率の増加や貧血、腎毒性、創傷治癒の遅れ、関節痛などのリスクが高くなります[3]。
mTORを抑制して長寿になる食べ物や食事の工夫もあるため私はまずは生活習慣から変えて長寿を目指しています。ですが将来的に健常人で長寿目的に微量の長寿薬を飲むことの安全性が医学論文等で分かってくるかもしれませんので期待したいところです。
まとめると、mTORを抑制するラパマイシンには長寿になる効果があるが糖尿病や皮膚症状などの重大なリスクもある。しかし健常な人が長寿になるために微量に摂取することの安全性はこれから明らかになるだろうということになります。
参考文献: