ココナッツオイルは油の多くを中鎖脂肪酸(MCTオイル)で構成しておりラウリン酸が主成分です。私もエネルギー源として糖質以外のケトン体を摂取するため朝にココナッツオイルやMCTオイルを豆から挽いたコーヒーに入れて飲んでいます。糖質制限した食事バランスが長寿になるだけでなくこの中鎖脂肪酸は長寿の観点からどのような効果があるのか興味がわきましたので医学論文で調べてみました。
MCTオイルはケトン体に代謝される
まずなぜ中鎖脂肪酸がエネルギー源になるのかといえば腸から吸収されると肝臓のミトコンドリアで酸化されてアセチルCoAに変わりケトン体に代謝されるからです[1]。私は糖質を制限していますので糖質からのエネルギーが枯渇している状態です。ケトン体は通常、糖質が枯渇した状態で脂肪組織がいわゆる”燃焼”して作られます。ですので私の体では即、ケトン体が利用されるようになっており、朝のココナッツオイル入りのコーヒーはエネルギー源となるのです。
ラウリン酸は加熱調理にも使える
MCTオイルは炭素数が5~12の脂肪酸でパルミチン酸(炭素数16)やオレイン酸(炭素数18)と比べて少なくなっています。炭素数が少ないと脂肪が付きにくくなりますが加熱すると発煙しやすいため加熱調理にはあまり向かないとされています。しかし、中鎖脂肪酸は体脂肪の面からは有効な脂肪酸です。このことから加熱調理にもある程度使え、しかも脂肪がつきにくい中鎖脂肪酸は炭素数12のラウリン酸だということが分かります。しかもラウリン酸は飽和脂肪酸ですのでオレイン酸などの不飽和脂肪酸と異なり、紫外線に暴露しても加熱しても酸化しにくいオイルで非常に安定性が高く皮膚や腸内などの粘膜に触れても活性酸素を発生させるリスクが減るため老化しにくい調理オイルということもわかります。
ケトン体の摂取で線虫の寿命がのびる
このケトン体の摂取により線虫の寿命がのびたという報告もあり、カロリー制限に似ている長寿作用があったと報告しています[2]。カロリー制限はやってみるとわかりますがいわゆる腹八分目で抑えることで非常にコントロールが難しい方法です。ですが多くの種の動物で長寿になる作用が明らかになっている食事法でもあります。
ケトン体によるエネルギーはミトコンドリアで作られるため有酸素運動や糖質制限などでミトコンドリアを使うほど数が増え機能が改善していきます。糖質制限ではこのケトン体をメインのエネルギー源としていますが、中鎖脂肪酸の摂取自体がケトン体を介して長寿になっている可能性もありますね。
まとめると、中鎖脂肪酸(MCTオイル)はケトン体を血中に増やし線虫の実験では長寿になる作用が示唆されているということです。
参考文献: